概要
UL94燃焼性試験とは、機器および装置の部品に使用されるプラスチック材料の難燃性を評価する試験です。プラスチック材料の安全性評価に不可欠な国際規格であり、製品設計や材料選定において非常に重要な指標となります。 難燃性のレベルによって燃焼クラスが分かれています。試験方法も、その目的により異なります。図-1 参照。※VとVTMは同一の燃焼クラスではありません。詳細は各試験説明をご参照ください。

図-1 燃焼クラスと難燃性の関係
HB試験: 水平燃焼性試験-Horizontal Burning Test; HB
サンプルを水平にした状態で30秒間接炎を行い、25 mm標線から100 mm標線までの距離(75 mm)の燃焼速度によって評価します。 (図-2)
厚さ:13 mm以内
必要本数:各6本
| 試験片厚み | 75 mm間の燃焼速度 |
|---|---|
| 3.0~13 mm | 40 mm/min 以内 |
| 3.0 mm 未満 | 75 mm/min 以内 |
| ー | 標線の手前で消火 |
V試験: 垂直燃焼性試験-50 W(20 mm)Vertical Burning Test; V-0, V-1, V-2
サンプルを垂直にした状態で10秒間の接炎を2回行い、1回目の接炎後の燃焼持続時間(t1)、2回目の接炎後の燃焼持続時間(t2)、2回目の接炎後の火種持続時間(t3)、クランプまで燃焼したかどうか、燃焼物または落下物による脱脂綿着火の有無によって評価します。 (図-3)
厚さ:0.025 mm以上13 mm以内
必要本数:各20本
| 判定条件 | V-0 | V-1 | V-2 |
|---|---|---|---|
| 離炎後の燃焼持続時間 (t1およびt2) |
≦10秒 | ≦30秒 | ≦30秒 |
| 離炎後の燃焼持続時間の合計 (1セット5本のサンプルのt1+t2) |
≦50秒 | ≦250秒 | ≦250秒 |
| 2回目接炎後の燃焼持続時間と 火種持続時間の合計(t2+t3) |
≦30秒 | ≦60秒 | ≦60秒 |
| クランプまで燃える燃焼や火種の持続があったか | なし | なし | なし |
| 燃焼物または落下物による脱脂綿の発火があったか | なし | なし | あり |
VTM試験: フィルムの垂直燃焼性試験-Thin Material Vertical Burning Test; VTM-0, VTM-1, VTM-2
テストサンプルが薄いために、V試験を行うには不適切(変形や収縮等によりV試験の実施が不可能)な場合やV試験でクランプまで燃え上がってしまうような場合に行う試験です。 (図-4)
筒状にしたサンプルを垂直にした状態で3秒間の接炎を2回行い、1回目の接炎後の燃焼持続時間(t1)、2回目の接炎後の燃焼持続時間(t2)、2回目の接炎後の火種持続時間(t3)、クランプまで燃焼したかどうか、燃焼物または落下物による脱脂綿着火の有無によって評価します。
厚さ:0.25mm以内
必要本数:各20枚
| 判定条件 | VTM-0 | VTM-1 | VTM-2 |
|---|---|---|---|
| 離炎後の燃焼持続時間 (t1およびt2) |
≦10秒 | ≦30秒 | ≦30秒 |
| 離炎後の燃焼持続時間の合計 (1セット5本のサンプルのt1+t2) |
≦50秒 | ≦250秒 | ≦250秒 |
| 2回目接炎後の燃焼持続時間と 火種持続時間の合計(t2+t3) |
≦30秒 | ≦60秒 | ≦60秒 |
| クランプまで燃える燃焼や火種の持続があったか | なし | なし | なし |
| 燃焼物または落下物による脱脂綿の発火があったか | なし | なし | あり |
5V試験: 500 W (125 mm)垂直燃焼性試験-500 W (125 mm) Vertical Burning Test; 5VA, 5VB
5V試験ではバーサンプルと、板サンプルの2種類の試験があります。バーサンプルではサンプルを垂直にした状態で5秒間接炎し、5秒間離す。この動作を5回行い、燃焼持続時間(t1)、火種持続時間(t2)、燃焼物または落下物による脱脂綿着火の有無によって評価します。 (図-5) 板サンプルではサンプルを水平にした状態で5秒間の接炎を5回行い、炎の貫通(穴あき)が見られるかどうかで評価します。 また、UL認定の際は前提として、その材料が試験する厚みでV-0またはV-1クラスを取得している必要があります。
厚さ:13 mm以内
必要本数:各20枚
厚さ:13 mm以内
必要本数:各12枚
| 判定条件 | 5VA | 5VB |
|---|---|---|
| バーサンプルにおいて、1セット5本のサンプルの燃焼持続時間と火種持続時間の合計(t1およびt2) | ≦60秒 | ≦60秒 |
| 燃焼物または落下物による脱脂綿の発火があったか | なし | なし |
| V-0またはV-1に合格している材料であるか | あり | あり |
| 以下のいずれかを満たす ・板サンプルに炎の貫通(穴あき)が見られるか ・板サンプルの試験を実施していない |
なし | あり |
HF/HBF試験: 発砲材料の水平燃焼性試験-Horizontal Burning Foamed Material Test; HBF, HF-1, HF-2
密度250 kg/m3未満の発泡材料が対象となる試験です。サンプルを水平に金網の上に置き、60秒間接炎し、燃焼時間および燃焼距離を測定します。 (図-6)
HF法は接炎後の燃焼持続時間、火種持続時間、燃焼距離(60 mm)、燃焼物または落下物による脱脂綿着火の有無により評価します。HF法はV試験と同様に自己消火性の評価をします。
HBF法は25 mm標線から125 mm標線までの距離(100 mm)の燃焼速度により評価します。HBF法はHB試験と同様に遅燃性の評価をします。
厚さ:13mm以内
必要本数:各20本
| 判定条件 | HF-1 | HF-2 | HBF |
|---|---|---|---|
| 1セット5本における各サンプルの燃焼持続時間 | 4/5が≦2秒 1/5が≦10秒 |
4/5が≦2秒 1/5が≦10秒 |
N/A |
| 各サンプルの燃焼持続時間と火種持続時間の合計 | ≦30秒 | ≦30秒 | N/A |
| 燃焼物または落下物による脱脂綿の発火があったか | なし | あり | N/A |
| 各サンプルの損傷距離 | <60 mm | <60 mm | <125 mm |
| 100mm間の燃焼速度 | N/A | N/A | ≦40 mm/min |
お問い合わせ先
担当:小林 匠
Email:ta-kobayashi@chemitox.co.jp
TEL:0551-42-5061

