絶縁システムは様々な高分子樹脂で構成されていますが、絶縁目的で使用される材料もあれば、機械的な保護を目的として使用される材料もあります。 UL1446の中では用途によって、EIM(ELECTRICAL INSULATING MATERIAL)とNIM(NON-ELECTRICAL INSULATING MATERIALS)の2つに分類されます。 今回はこれらの違いについて説明いたします。
コンポーネント(構成材料)について
EIMとは絶縁目的で使用される材料のことを指します。 具体的に例を上げればマグネットワイヤーや絶縁紙などです。
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マグネットワイヤー | 絶縁紙 |
NIMとは機械的な保護、結束あるいは空間確保などの目的で使用される材料です。 固定紐、スリーブ、スペーサーなど機械的な固定、外部からの保護、空間確保などの目的で使用される材料を指します。
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固定紐 | スペーサー |
UL1446の中では、同じ構成材料であっても使用方法によってEIMと判断される場合や、NIMと判断されることがあります。 これらの材料は、活電部や接地からの空間距離が0.8mm以上保たれていればNIMとして扱われますが、空間距離が0.8mm未満の場合はEIMとして扱われます。

左の図ではコイルの外周に設置された材料と活電部や接地などの材料との距離が0.8mm未満となっていますので、このような場合はコイルの外周に使用される材料は絶縁性能を持つ材料、すなわちEIMとして扱われます。右の図ではコイルの外周に設置された材料と活電部や接地などの材料との距離が0.8mm以上となっています。このような場合、コイルの外周に使用される材料であっても絶縁機能を持つことは要求されません。
EIMおよびNIMの評価方法については次回、「絶縁システムの評価方法」で説明いたします。

左の図ではコイルの外周に設置された材料と活電部や接地などの材料との距離が0.8mm未満となっていますので、このような場合はコイルの外周に使用される材料は絶縁性能を持つ材料、すなわちEIMとして扱われます。右の図ではコイルの外周に設置された材料と活電部や接地などの材料との距離が0.8mm以上となっています。このような場合、コイルの外周に使用される材料であっても絶縁機能を持つことは要求されません。
EIMおよびNIMの評価方法については次回、「絶縁システムの評価方法」で説明いたします。
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価格およびご購入方法についてはこちらのページをご参照ください。

掲載スケジュール
UL746B 長期熱劣化試験
回数 | タイトル | 掲載予定 |
---|---|---|
1回目 | 「RTI(Relative Thermal Index):相対温度インデックスとは?」 | 掲載済 |
2回目 | 「各特性の評価方法」 | 掲載済 |
3回目 | 「RTIの算出方法」 | 掲載済 |
4回目 | 「4温度評価以外の評価方法」 | 2023-12 |
5回目 | 「評価を実施する前の事前準備など」 | 2024-02 |
UL1446 絶縁システムの評価
回数 | タイトル | 掲載予定 |
---|---|---|
1回目 | 「Insulation System:絶縁システムとは?」 | 掲載済 |
2回目 | 「コンポーネント(構成材料)について」 | 掲載済 |
3回目 | 「絶縁システムの評価方法」 | 2023-11 |
4回目 | 「コンポーネントに対する注意点」 | 2024-01 |
5回目 | 「評価を実施する前の事前準備など」 | 2024-03 |
お問い合わせ先
担当:堀水 真
TEL:0551-42-5061
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