プラスチック・PWB評価試験

絶縁システム/EIS(UL1446、IEC60085)

マグネットワイヤを含めた高分子材料を トータルでシステム評価する必要があります!

2023年以降も、シールドチューブのDAP試験が可能に!

DAP(Data Acceptance Program:ULに代って試験を実施し、UL登録を得るプログラム)試験について、試験装置の校正に関する新たな要求事項が加わり、2022年10月以降に運用が始まりました。ケミトックスでは、ISO/IEC 17025の認証機関であるA2LAの内部校正機関としての監査を受け、新たなDAPの要求事項をクリアし、引き続きシールドチューブのDAP試験が可能になりました。

A2LA認証   ● UL DAP(旧名称:CAP)

絶縁システムとは:

モーター、トランス、リレイやソレノイドなどは、磁場や電磁誘導を発生させるマグネットワイヤだけでなく、製品または部品として組み上げるために、ボビン、テープ、フィルム、リードワイヤ、チューブ、ワニスなどのコンポーネント材料で構成されています。電気機器に使用されるコンポーンネントの集合体を、“絶縁システム”と呼んでいます。高分子材料は、温度が高くなるにつれて分解ガスなど揮発成分を発生し、この揮発成分がマグネットワイヤを含めたコンポーネントを劣化させることがあります。劣化が進むと、電気的な絶縁性能を失い、製品としての機能を全うできなくなります。このような揮発成分による影響を見るために、コンポーネント材料の組み合わせ、すなわち絶縁システムとして評価することが重要となります。絶縁システムは、電気絶縁を担うメジャーコンポーネントと、製品内の機械的保持など電気絶縁以外の用途として組み込まれるマイナーコンポーネントによって成り立っています。

絶縁システム IEC 60216

シールドチューブ試験:

絶縁システムの認定を取得するためには、すでに評価が完了している絶縁システムを利用することが出来れば、試験を最小限にすることができます。“すでに評価が完了している絶縁システム”はリファレンスシステムとも呼ばれ、GPM(モータレット)試験を実施した材料メーカー様などがこのリファレンスシステムを保有し、ULホームページ上で公開されています。このリファレンスシステムの保有者からシステムの使用許諾を得ることで、短期間で実施可能なシールドチューブ試験を行うことにより、マイナーコンポーネントの追加が可能となり、あらたな独自の絶縁システムを立ち上げることができます。

シールドチューブ試験では、1つのチューブには、マグネットワイヤ2本を撚ったツイストペアとGPM試験で用いたたメジャーコンポーネントを加えて密封し(リファレンスチューブ)、別のチューブには、ツイストペアとメジャーコンポーネントだけでなく自社で使用するマイナーコンポーネントを加えて密封します(サブスティチュートチューブ)。密封したこれらのチューブを希望の温度クラスより25℃高い温度で、336時間エージングを行い、エージング完了後、ツイストペアを取り出して絶縁破壊試験を実施します。サブスティチュートチューブのツイストペアの絶縁破壊電圧値が、リファレンスチューブのツイストペアの絶縁破壊電圧値に比べて、半減未満に減少していなければ合格となり、絶縁システムにマイナーコンポーネントを追加することができます。

近年サプライチェーンの多様化に伴い、コンポーネント材料の海外生産や原料の海外調達などの関係から、コンポーネント材料の生産中止など入手困難な状況や、為替の影響による価格高騰などが発生しています。その対策として、代替となるマイナーコンポーネントを用いたシールドチューブ試験を実施されるケースが多くなっています。ケミトックスでは長年培ったシールドチューブ試験のノウハウにより、貴社の絶縁システムを強化し拡充することが可能です。

絶縁システム IEC 60216

GPM(モータレット)試験:

全く新たな絶縁システムを構築する場合、製品に必要なマグネットワイヤと、ボビン・テープ基材を含むフィルム、三層線などの電気絶縁を担うメジャーコンポーネントを1つの試験体として組み込みます。この試験体をGPM:General purpose Modelと言いますが、従来はモータレットと呼ばれていましたので、モータレットの方がなじみ深いかもしれません。厚さの薄いフィルム材料やテープ基材などは、GPMのコイルに沿わせ、厚い板材料は、馬蹄形状に打ち抜いたり、成形したりしてGPMに組み込みます。馬蹄形状の成形については、弊社子会社である(株)京浜ケミトックスで実施できます。

GPMは所定の熱エージング後、振動や冷却などの規定の負荷をかけ、耐電圧試験を繰り返し行い、メジャーコンポーネントの劣化状態を調べます。UL746BやIEC60216にあるように最低温度で5000時間以上のエージングを行い、絶縁システムの温度インデックス(TI:Thermal Index)を求めます。

絶縁システム IEC 60216

規格一覧表

試験名 規格番号 規格名 対象

絶縁システム試験

資料 1

資料 2

UL1446 Systems of Insulating Materials 絶縁システム EIS
IEC60085 Electrical insulation – Thermal evaluation and designation 絶縁システム EIS

UL1446 絶縁システム スーパー解説と和訳

絶縁システムのUL申請が初めての方にも理解しやすいよう、実際の試験や申請情報も交えて、わかり易く解説。日本で唯一の絶縁システムの解説書です。

価格およびご購入方法についてはこちらのページをご参照ください。

UL1446 絶縁システム スーパー解説と和訳

お問い合わせ先 担当:神谷 裕二 TEL:0551-42-5061

お問い合わせ 評価・業務案内一覧
京浜ケミトックスへのリンク