~相関時間60,000時間に~
2018年8月15日付けで、UL746Bが新たに第5版として改訂されました。
RTI(相対温度インデックス)算出時に用いる相関時間の上限が、従来100,000時間から、今回の改訂で60,000時間に変更されました。
- コントロール材料から得られる相関時間の代わりに、60,000時間の外挿評価を用いることができる(従来は100,000時間で評価)
- コントロール材料を用いた場合でも、コントロール材料の相関時間が60,000時間を越える場合は、60,000時間を使ってRTI評価を行う
100,000時間から60,000時間へ変更されることによりRTI値に与える影響は、僅かであるとの意見もあるようです。しかしながら、下記のプロットの例(UL746B 20.2項記載のデータを使ったプロット)では、計算上のRTIがおよそ8℃上昇します。
相間時間による計算上のRTIの違いの例
RTIは下記ルールに従って割り当てられます。
- 計算上のRTIが130℃までは5℃刻み
- 計算上のRTIが130~180℃までは10℃刻み(例外として155℃)
- 計算上のRTIが180℃を超えると20℃刻み
下の例では、計算上のRTI 129℃は125℃に、計算上のRTI 121℃は120℃に割り当てられるため、従来であればRTI=120℃ですが、相関時間60,000時間で計算すると125℃に上昇することになります。特に130℃以下のRTIの領域では、今回の改訂により与えられるRTIに影響があると言えます。また130℃以上であってもRTIが変わる可能性があります。
(60,000時間:青線,129℃、100,000時間:緑線,121℃)
過去に評価された長期熱劣化試験データをもとにRTIを見直すかどうかについては、現時点で明確にされておりません。2018年6月に開催されたUL94/746 STP(規格策定会議)でも議論されませんでした。おそらく、それぞれの案件ごとにULと議論を進めていく形となると予想されます。
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