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OSUヒートリリース試験(HR2)

航空機内装材の燃焼試験次世代置を世界に先駆けて導入

ケミトックスでは2022年12月に航空機内装材に対して実施が要求されるOSUヒートリリース試験の次世代機、HR2が導入され、立ち上げ作業が完了しました。

航空機は、火災発生時に乗客・乗員が曝されるリスクが非常に大きいことから、内装材として使用する材料に対して厳しい難燃性の要求が課されます。特に、天井/壁材や間仕切り、ギャレー構造、荷物棚など、大きな面積を占める部材に対しては、14 CFR Part 25, Appendix F, Part IVに基づき、OSUヒートリリース試験と呼ばれる発熱性の評価が求められております。

OSUヒートリリース試験は、従来より試験結果の再現性の低さ、及びバラつきの問題が指摘されており、米国連邦航空局 (FAA) 主導で装置の改良に関する研究が行われてきておりました。その成果が、「HR2」という次世代機として結実し、早晩FAAの規制に正式に採用される見込みとなっております。

ケミトックスでは規制改訂の動きを先取りし、第三者試験機関として世界的に見ても最速で装置を導入いたしました。FAA、ボーイング、エアバスに続き、世界で4番目、アジアでは初となります。

航空機内装材に対するFAAの燃焼試験要求については、要求事項の大幅な改訂が予定されており、その中でHR2は最も重要な役割を担う試験の1つとして、今後ますます需要が高まることが予想されております。

<試験サンプル>
サンプルサイズ149±1 x 149±1 x 厚み(mm)
必要枚数:最低3枚+予備1枚

<試験方法概要>
  • 試験片を装置内の所定箇所にセットします。
  • 試験片表面をヒーターからの輻射熱及びパイロットバーナーの炎に曝露します。
  • 試験片が分解、発火すると、それにより熱量が発生し、上下流に設置している温度差が生じます。
  • その後、あらかじめ校正によって熱起電力1mVあたりの発熱量 (kW) を求めておき、試験中の熱起電力差からサンプルの単位面積あたりの発熱速度 (kW/m2) を算出します。
OSUヒートリリース試験 (HR2) の詳細(日本語)はこちら:
原文はこちら→14 CFR Part 25, Appendix F, Part IV
chemitox

HR2では、従来機と比べ、空気流量の制御をより精密に行う変更などが施されており、再現性の向上、及びバラつきを抑えられるような仕様となりました。

<判定基準>
試験は5分間実施します。5分間の試験中におけるピーク発熱速度が65 kW/m2以下で、かつ試験開始から2分間の総発熱量 (Total Heat Release: THR) が65 kW-min/m2以下であれば合格となります。

<ケミトックスの航空機関連業務>
ケミトックスでは、OSUヒートリリース試験以外の燃焼試験についてもすべて対応しております。また、米国の専門(一部試験は海外委託にて対応)コンサル機関とのネットワークを活かし、規制当局からの型式認証取得のための技術コンサルティングサービスも展開しております。


お問い合わせ先
担当:安達 美有 mi-adachi@chemitox.co.jp
TEL: 03-3727-7111

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