プラスチック材料評価試験

SDGs実現のためのリグラインド材料・リサイクル材料の要求と認定に関するアドバイザリーサービス | リサイクル材

UL規格のリグラインド・リサイクル材料の各種特性試験、認定申請サービスを行っています

リサイクル材料{UL746S(旧UL746D)}廃プラスチックの有効利用として注目されるリサイクル材料

 
一度市場に出荷されたプラスチック製品を回収して、新たにプラスチック材料として使用する場合、リサイクル材料として扱われます。 サステナブルな高分子材料の評価について規定している新規格UL746S(2023年8月30日に第1版発行)(※1)では、リサイクル材料(メカニカル・リサイクル・プラスチック※2)に関して、バッチ間のID(IR、TGAおよびDSC)が一致しているかどうかによって異なる評価プログラムが課されています。また、認定取得後は、通常のフォローアップサービス(FUS)への対応に加えて、製造工場ごとにQAプログラムに基づく定期的な物性確認を行い、その記録を保管することが求められます。
PC/ABS、ABS、PS、PETなどの材料を中心に、多くのグレードがリサイクル材(メカニカル・リサイクル・プラスチック)としてUL認定を受けています。
 
UL 746S バッチ(※3)間でIDが一致する場合の評価項目
試験項目 試験サンプル
バッチ数
合格基準
ID(IR、TGAおよびDSC) 3バッチ バッチ間でデータ一致 (UL 746Aの基準に基づく)
燃焼性 3バッチ(※4) バッチ間で同一燃焼クラス
その他特性(任意) 1バッチ なし(試験結果に応じて登録)
UL 746S バッチ間でIDが一致しない場合の評価項目
試験項目 試験サンプル
バッチ数
合格基準
IR 1バッチ なし(一般材料名同定を目的として測定)
燃焼性 5バッチ(※4) バッチ間で同一燃焼クラス
機械特性
引張強さ
5バッチ 全バッチで平均値±15%
衝撃特性
引張衝撃、シャルピー衝撃、又はアイゾッド衝撃
5バッチ 全バッチで顧客指定の最小値以上
絶縁破壊特性 5バッチ 全バッチで5kV/mm以上
ホットワイヤーイグニッション(HWI)、
又はグローワイヤー発火性(GWIT)
5バッチ 全バッチで顧客指定の最小値以上
荷重たわみ温度(HDT)
又はビカット軟化点(VT)
又はボールプレッシャー温度(BP)
5バッチ 全バッチで平均値±10%
その他短期特性(任意) 3バッチ なし(試験結果に応じて登録)
耐候性(UV照射及び水曝露)
(任意)
1バッチ UL 746Cに準ずる
長期耐熱性(LTTA) (任意) 1バッチ UL746Bに準ずる

※1:UL746Sが発行される前は高分子材料の加工部品について規定しているUL746Dにおいてリサイクル材料の評価についても規定されていた。
※2:メカニカル・リサイクル・プラスチック:機械的なリサイクル処理を施したプラスチックのこと。これに対し重合開始成分として化学的または熱的に分解したプラスチックを利用するプロセスのことをケミカル・リサイクル・プラスチックと言う。
※3:バッチ:生産ロットのこと。 UL746Sではバッチと表現される。
※4:リサイクル材のベースカラーに対して着色剤を添加する場合、着色サンプルについては1バッチを試験する。

 

リサイクル材料の利用が義務化へ -資源有効利用促進法の改定-

資源有効利用促進法は2000年5月に設立し、2001年4月に施行されました。 この法案は事業者による製品の回収、リサイクルの実施などを求めた法律です。 しかしながらその内容は、事業者に取り組みを求める努力義務にとどまっております。
現在、回収されたプラスチックの多くは、サーマルリサイクルと称して発電の燃料や焼却した際に発生する熱を温水に利用するなどしているのが実情です。
これに対して経済産業省は2024年6月27日、資源循環と経済成長の両立を目指す「循環経済」(サーキュラーエコノミー)の強化に向けた中間報告案を公表した。この中では、事業者に再生プラスチックの利用計画の策定を義務づけるほか、再生資源を使った商品への認証制度を検討する方針も盛り込んでいる。
資源有効利用促進法は10業種、69品目に対しリサイクルしやすい設計や再生資源の利用などを義務づけている。同法を改正し、再生プラの利用計画の策定や実績の報告などを事業者に求める。対象は自動車や包装容器などの製造業者を想定し、詳細は今後検討する。 対象となる事業者は包装容器、電気・電子機器、自動車メーカーなどが検討されています。 この改正により、リサイクル材料の資源循環の強化を目指しています。 脱炭素社会に向け、リサイクル材料の利用は益々注目が高まっています。

 

京浜ケミトックス プラスチックリサイクル事業紹介

弊社では京浜ケミトックスと協力の元、回収したプラスチック製品を粉砕、リペレット化し、評価用試験サンプルに成形し、ケミトックスで試験評価を行うという1カ所で完結することができるサービスを提供しています。

 

①、⑥:お客様

②、③、④:京浜ケミトックス

⑤、⑦:ケミトックス

リサイクル材料は回収後の選別、洗浄、異物除去など、リグラインド材料と比較して安定した品質を維持することが難しくなります。 しかしながら、廃プラスチックの削減に大きく貢献し、持続可能な社会の実現に向けた重要なファクターでもあります。また昨今では、機械的なリサイクルに加え、回収材をモノマーレベルまで還元した上で再利用するケミカルリサイクルの議論も活発化しており、今後ますますプラスチックのリサイクルに対する注目が高まるものと考えられます。

ケミトックスでは、UL認定に関連する燃焼性試験、ID試験、各種機械特性試験、電気特性試験、熱変形試験、MFRなど様々な試験の実施に加え、数々のUL申請の経験を活かし、QAプログラム構築のためのアドバイスなども可能です。さらに、リサイクル材に関する新たな規格、認定の動向について積極的な情報収集を行っており、セミナーやウェビナーなどのかたちでお客様に配信しております。試験評価とアドバイザリーサービスの両面でお客様の品質管理をサポートします。

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TEL:0551-42-5061