直流内部抵抗測定
リチウムイオン電池の状態を判断するパラメータとして内部抵抗が挙げられます。内部抵抗は溶液抵抗、電荷移動抵抗、活性物質バルク抵抗、接触抵抗などが含まれています。測定方法は直流法と交流法の二種類がありまして、交流法については弊社ホームページの『交流内部抵抗の測定』をご参照下さい。
直流法で放電開始・停止直後の電圧と電流の変化から抵抗値を求めます。JIS C8715-1やIEC 62620で規定されている方法では急速な放電操作とそれに対応する電圧の高速記録が必要になります。直流内部抵抗の測定は、単電池および電池システムに適応されます。
◆円筒型リチウムイオン電池での測定例
〇規格では製造業者が定める放電電流値(@25℃)により電池の下記のような放電タイプが設定されています。
放電タイプ別に表1.の放電電流値に従い測定を実施します。
放電電流 | 放電タイプ | |||
S | E | M | H | |
I1 | 1/5n It A 以上 | 0.04 It A | 0.2 It A | 1.0It A |
I2 | 1/n It A 以上 | 0.2 It A 以上 | 1.0 It A 以上 | 5.0 It A 以上 |
- 事前に電池のSOC*を50±10%に調整
(*SOC: State Of Charge 充電率) - 電流値I1で30秒間放電し、放電終了直前の電圧U1を測定します。
- 続けて電流値I2まで上昇させ、5秒間放電し、放電終了直前の電圧U2を測定します。
- 次式から直流内部抵抗Rdcを求めます。
Rdc = ( U1 – U2 ) / ( I2 – I1 )

- サンプル:リチウムイオン電池 定格容量 2.5Ah (円筒型) 放電タイプM
- 試験環境:25℃
19.0 mΩ
規格通りのSOC 50%±10%だけでなくSOC 90%、SOC 0%に調整したサンプルや、放電電流を表1のことなる放電タイプに合わせて行った場合の試験結果などさらに詳しい試験結果については弊社HP技術資料リチウムイオン電池 直流内部抵抗をご確認ください。
内部抵抗値はリチウムイオン電池の劣化により増加していきます。一方ですべての試験の前後に義務づけられているわけではございません。弊社でご希望に応じて試験を実施していますので、電池の変化を見落とさないためにもご利用をお勧めします。また上記のような特殊な条件のご検討にも対応しておりますのでお気軽にお問い合わせください。
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