10台目の太陽電池モジュール評価用
大型チャンバーが本格稼働開始!

大型チャンバー(恒温恒湿槽)の試験

今回新規導入した大型チャンバー(恒温恒湿槽)では、槽内に試験サンプルを収納した状態で槽内の温度を-40℃~+120℃で制御できるほか、温度+40℃~+85℃の範囲では相対湿度を40%~95%で制御することができます。

この大型チャンバーでは、太陽電池モジュールの以下の試験を行うことができます。

○ 温度サイクル試験(IEC 61215-2 MQT11, IEC 61730-2 MST51)

槽内のサンプル温度を-40℃~+85℃の温度範囲について約6時間の周期で変動させる試験です。熱衝撃試験ほどの温度変化は求められませんが、各材料間の熱膨張・収縮の違いによる故障の発生を確認することを目的としています。IEC規格では、200サイクルが要求されますが、太陽電池モジュールの長期信頼性を考慮した場合、500サイクル以上の試験を行うのが一般的です。

○ 結露凍結試験(IEC 61215-2 MQT12, IEC 61730-2 MST52)

上記の温度サイクル試験同様、サンプル温度を-40℃~+85℃の範囲で周期的に変化させますが、温度が+85℃の時に槽内の相対湿度を85%とし、高温高湿状態とします。これにより、高温高湿状態でサンプル内に浸入した水分が低温状態で凍結することで、サンプル内でのはく離の発生を確認することを目的としています。結露凍結試験は24時間周期で、IEC規格では10サイクルの要求となります。こちらも太陽電池モジュールの長期信頼性を考慮すると20~40サイクルの試験をお勧めします。

大型チャンバー(恒温恒湿槽)

○ 高温高湿試験(IEC 61215-2 MQT13, IEC 61730-2 MST53)

温度+85℃で相対湿度85%の高温高湿環境下にサンプルを放置する試験です。これは結露凍結試験とは異なり、高温高湿状態が続くことで太陽電池モジュール内部に浸入した水分に起因する化学反応による出力低下や、剥離、気泡といった外観上の不具合を確認することを目的とします。IEC規格では1000時間の試験が要求されますが、長期信頼性を考慮すると3000時間以上の試験が必要となります。

○ ドライヒートコンディショニング試験(IEC 61730-2 MST56)、材料クリープ試験(IEC 61730-2 MST37)

槽内に入れた太陽電池モジュールの温度が105±5℃の環境で200時間放置し、外観的な不具合を確認する試験です。ただし、オープンラック設置専用の太陽電池モジュールは90±3℃の環境下で試験を行います。なお、弊社の新規導入した大型チャンバーでは、+120℃まで温度を上げることができますので、IEC規格で規定される105±5℃よりも高い温度での確認試験を行うことが可能です。

お問い合わせ先
担当:堀水 真 / 神谷 裕二
TEL: 0551-42-5061
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